光線過敏症はどう診断する?検査方法と皮膚科の選び方
少し日差しを浴びただけで肌がかゆくなったり赤くなったりする場合、それは単なる敏感肌ではなく、光線過敏症(Photosensitivity)の可能性があります。光線過敏症は紫外線に対する異常な皮膚反応であり、放置すると日常生活に支障をきたします。この記事では、光線過敏症の診断方法と、適切な皮膚科を選ぶポイントをご紹介します。
光線過敏症が疑われる主な症状
通常の肌荒れとは異なり、光線過敏症は突然かつ繰り返し現れるのが特徴です。以下のような症状が見られたら注意が必要です:
- 日光に当たった数時間後に発生するかゆみ、発赤、水疱
- 焼けるような痛み、チクチクとした刺激感
- 露出部位(顔・首・腕など)に限って症状が出る
- 特定の薬剤を服用後に症状が悪化する
これらの症状が頻繁に繰り返される場合は、皮膚科での検査をおすすめします。
光線過敏症はどうやって診断される?
目視だけで診断するのは困難なため、医療機関では以下のような検査が行われます:
1. 光テスト(Phototest)
医療用の紫外線照射機器を使用し、皮膚にUVAやUVBを照射して、最小紅斑量(MED)を測定します。通常より低い照射量で発赤が現れれば、光線過敏症の可能性が高いです。
2. フォトパッチテスト(Photo Patch Test)
アレルゲンを皮膚に貼付し、その後UV照射を行って、光接触皮膚炎が起きるかどうかを確認します。特定成分と紫外線の相互作用によるアレルギー反応を調べます。
3. 血液検査・皮膚生検
全身性エリテマトーデス(SLE)などの自己免疫疾患や炎症性疾患が原因であることもあるため、基礎疾患の有無を調べる目的で行います。
どの医療機関で検査を受けられる?
一般的な皮膚科でも簡単な光感受性検査は可能ですが、正確な診断を希望するなら、大学病院の皮膚科や光線治療専門クリニックがおすすめです。
病院選びのチェックポイント:
- UVA/UVBの光刺激テスト設備があるか
- アレルギー科などとの連携診療が可能か
- 薬剤性光線過敏の評価が可能か
光線過敏を引き起こす薬剤は?
以下のような薬剤は、日光に当たることで皮膚反応を引き起こすことがあります:
- 抗生物質: テトラサイクリン系、フルオロキノロン系
- 鎮痛剤: イブプロフェン、ナプロキセン
- 利尿剤: ヒドロクロロチアジド
- 精神科薬: 三環系抗うつ薬など
これらの薬を服用している場合は、医師に光線過敏のリスクについて必ず相談しましょう。
検査前の注意点
- 検査前1週間は極力日焼けを避ける
- 使用中の薬やスキンケア製品を事前に申告
- 症状が出た時の写真を持参すると診断に役立つ
まとめ
日光に対する皮膚の異常反応が繰り返し起きるなら、それは単なる日焼けではありません。光線過敏症の可能性があります。正しい検査と早期の診断が、快適な日常生活と健康な肌を守る鍵です。気になる症状があれば、早めに専門の皮膚科を受診しましょう。
