完成したHDDカッター ― 金属切断から精密研磨までの実践活用と安全ガイド
ハードディスクの分解、モーターの取り出し、ESC接続、PWM制御まで完了したなら、いよいよ最終章です。 今回は、実際に研磨ディスクや切断ツールを取り付けて、完成したDIY回転工具を実戦投入していきます。 ジャンクだったHDDが、ついに実用的な小型マシンへと生まれ変わる瞬間です。
単に「回る」だけではありません。「使える」ことが重要。Graceの自作グラインダーは、速度制御と安定性を兼ね備えた、精密で多用途な実用工具に仕上がっています。
1. 研磨・切断ツールの取り付け方法
HDDのプラッターは高精度で平滑なため、研磨シートや軽量ディスクを取り付けるベースとして最適です。
- 方法①:サンドペーパーを貼る – 両面テープや粘着付き研磨シートで直接貼り付け
- 方法②:カッティングディスクに交換 – 軸穴が合えば、そのまま取り付け可能
中心がズレないようにバランスを取りましょう。ゴムワッシャーなどを挟むと振動も抑えられます。
2. モーターの固定と安定化
高速回転するため、モーターは必ずしっかりと固定してください。以下のような方法があります:
- HDDの金属ケースを再利用し、木板やアルミ板にネジ止め
- 3Dプリンタで作った専用マウントを使用
- UボルトやL字ステーで作業台にしっかりクランプ
しっかり固定されたベースは、精密研磨やPCB加工などにも役立ちます。
3. この自作回転工具で何ができる?
この装置はただのおもちゃではありません。しっかり構成すれば、以下のような用途で実用できます:
- 金属の研磨: ネジや工具の端、溶接部の平滑化
- プラスチックの切断: ABS板やパイプの成形
- PCB基板のカット: 小型基板の精密な切断
- 木材の仕上げ: 角や端部のサンディング処理
低ノイズ・低振動・精密な速度制御により、小スペースでの作業にも最適です。
4. 安全のためのポイントとアップグレード案
この工具は高速で回転します。使用時は必ず以下を守ってください:
- 保護メガネと手袋の着用を徹底
- 回転中のディスク交換は禁止
- ディスクの上に安全カバーを設置
- ESCの電源ラインにヒューズや主電源スイッチを追加
今後のおすすめ拡張案:
- ホールセンサーとOLEDで回転数表示を追加
- ボタンで切替可能な速度プリセット(低速/中速/高速)
- USB電源やリチウム電池による携帯型化
5. 廃HDDから実用工具への進化
壊れたハードディスクから始まり、ここまでの5編で、あなたは以下をマスターしました:
- モーターの取り出しと特性の理解
- ESCとの接続と動作確認
- PWMによる速度制御
- 実際に工具を取り付けて作業に活用
GraceのDIY回転工具は、もはや実験ではなく、実用性を備えたエンジニアリング成果物です。 あなたも次に作る番です。削って、磨いて、切って、もっと創っていきましょう!
