レーザープリンターから取り出して再利用できるDIY部品

廃棄されたレーザープリンターは、単なる電子ごみではありません。その内部には、ステッピングモーター、光センサー、ギア、レーザーダイオード、電源基板など、精密で高性能な部品が多数搭載されています。これらは、ロボット制作や自動制御装置、電子工作の素材として活用可能です。本記事では、レーザープリンターから取り出して活用できる主要部品とその具体的なDIY活用方法を紹介します。

 

 

1. ステッピングモーター

紙送りやヘッドの位置制御のために複数のステッピングモーターが搭載されています。一定の角度ごとに回転するため、精密な位置制御に最適です。

  • 3DプリンターのXYZ軸駆動
  • レーザーカッターやCNC機械の制御
  • 精密ロボットアームの可動部

制御はやや複雑ですが、Arduinoやモータードライバーモジュールを使えば比較的簡単に動作させることができます。

レーザープリンターから取り出して再利用できる6つのDIY部品を示すインフォグラフィック。ステッピングモーター、DCギアモーター、光センサー、レーザーダイオードと光学部品、ギアとスプリング、電源板が日本語と英語で表示されている。

2. DCギアモーター

紙送りなどに使われる直流ギアモーターは、トルクがありながらコンパクトで、小型ロボットや自動装置に最適です。

  • ライントレーサーやRCカーの駆動
  • 自動ドアの開閉システム
  • 小型フィーダーの駆動

 

 

3. 光センサー(フォトインタラプター)

紙の通過やインクカートリッジの位置などを検出するために、光センサーが多数内蔵されています。ArduinoやRaspberry Piと組み合わせて利用するのに適しています。

  • 回転数の検出
  • スロット型通過検出装置
  • モーターのリミットスイッチ代替

基板ごと取り出しておくと、はんだ付けや配線がしやすくなります。

4. レーザーダイオードと光学部品

レーザープリンターの心臓部とも言えるレーザーユニットには、レーザーダイオード、反射ミラー、多角ミラーが含まれており、光学DIYやレーザー装置の制作に応用できます。

  • 簡易レーザーカッターの自作
  • 光学実験用の反射系
  • レーザー距離測定のテスト装置

注意:レーザーダイオードは不可視赤外線を発することがあり、目に見えない危険性があります。必ず保護メガネを着用しましょう。

 

 

5. エンコーダーディスクと位置検出センサー

紙送りやモーター回転角度を検出するためのエンコーダーとセンサーが搭載されています。これは自作のサーボ制御や回転検知に応用できます。

  • 自作サーボモーターのフィードバックセンサー
  • DCモーターの回転数制御
  • 簡易ジャイロの代替部品

6. ギア、ローラー、スプリングなどの機構部品

レーザープリンターには、多段ギア、ゴムローラー、スプリングなど多数の機械部品が内蔵されています。これらはロボットの駆動系や自動機構などに再利用できます。

  • 小型減速機の製作
  • 車輪駆動用ギアユニット
  • スプリングを使った機械装置

 

 

7. 電源基板と電源回路

電源基板にはSMPS(スイッチング電源)やDC-DCコンバーターが搭載されており、正常動作すれば外部機器への電源供給に再利用できます。

  • Arduinoやセンサー類への電源供給
  • ステッピングモーター用の安定化電源
  • Raspberry Pi用外部電源

コネクタやヒューズも一緒に保持しておくと、安全性や配線の利便性が向上します。

まとめ

レーザープリンターの分解は、電子部品の再利用とメカニズムの学習を同時に楽しめる貴重な経験です。電源部の取り扱いには注意し、必ず放電処理と安全装備を忘れずに行いましょう。

ロボット、オートマトン、センサー制御装置など、様々なプロジェクトのベースとして、廃プリンターの部品は素晴らしい素材になります。捨てられた電子機器から、新しい創造を生み出しましょう。