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カレン族:忘れられた東南アジアの民族、その歴史と首輪の習慣

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カレン族(Karen people)は、東南アジア、特にミャンマー(ビルマ)とタイの国境地域に主に居住する少数民族で、人口は約700万人と推定されています。彼らは何世紀にもわたり独自の言語、文化、服装、習慣を守ってきましたが、20世紀以降、内戦、政治的弾圧、難民化という苦難に直面してきました。その中でも、カレン族の女性が持つ独特な首輪の習慣は、外の世界に強い印象を与え、彼らのアイデンティティの象徴となっています。この記事では、カレン族の歴史、文化、そして首輪の習慣について詳しく解説します。 カレン族の中には、スゴー(Sgaw)、ポー(Pwo)、パオ(Pa-O)、ブウェ(Bwe)といった複数の支族がおり、それぞれ異なる言語、方言、伝統を持っています。歴史的には農業、牧畜、織物などの自給自足の生活を続け、各支族ごとに独自の服飾や装飾文化を発展させてきました。     1. カレン族の歴史と起源 カレン族は約1500年前にミャンマー東部の山岳地帯に定住したと考えられています。彼らはチベット・ビルマ語派の言語を使用し、仏教、キリスト教、精霊信仰(アニミズム)など多様な宗教を信仰しています。1948年、ミャンマーがイギリスから独立した際、カレン族は自治権または独立国家を求めましたが、中央政府に拒否されました。これにより武力衝突が発生し、カレン民族同盟(KNU)が結成され、世界最長級の内戦が続き、何十万人もの人々が避難民となりました。 2. カレン族の文化と生活 言語: カレン語は複数の方言に分かれており、19世紀末に宣教師によって導入されたラテン文字を用いて文字が作られました。 衣装: 赤、白、黒などの鮮やかな色の伝統衣装を着用し、女性は手作りのビーズのネックレスやイヤリングをよく身につけます。 家族と共同体: 大家族を中心とした村落単位の共同体生活を営み、農業、漁業、牧畜を主な生計手段としています。     3. カレン族女性の首輪習慣 カレン族の中でも「パドゥアン(Padaung)」と呼ばれる支族の女性たちは、首に複数の真鍮のリングを巻くことで知られています。これらの首輪は単なる装飾ではなく、共同体のアイデンティティや伝統的な美の象徴です。女...